Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年04月05日

国粋主義

もうひとつ、「日本のワインを愛する会」の辰巳琢郎会長が、海外のワイナリーでも日本人がつくっているワインなら「日本のワイン」と呼んで応援する……という発言を同会の設立のときの挨拶で述べています。そうなると、日本で「日本ワイン」をつくっている外国人はどうなるのか、という疑問も生じますが……。 

辰巳会長は、かねてから「日本ワイン」の中でヴィニフェラ種ばかりがもてはやされる風潮に苦言を呈し、もっとヤマブドウやハイブリッド種など日本独自の品種を盛り立てるよう提言していますが、これも、日本人が(日本国の品種でなく)外国のブドウ品種を使ってワインをつくることに、抵抗を感じているからのようです。 

同会の考えはあまりにもナショナリスティック(あえて言えば「国粋的」)で、私にはついていけませんが、品種の問題については後にゆっくり考察したいと思います。