About[ 成り立ち ]
日本ワイン農業研究所(JW-ARC)
ワインのある食卓
日本ワイン農業研究所株式会社 JW-ARC (Japan Wine Agricultural Research Center)は、日本に農業としてのワインづくりを根づかせることによって荒廃した田園を美しくよみがえらせ、農業という「食べものをつくる仕事」をベースにした豊かで持続的なライフスタイルを実現して、「ワインのある食卓」に集う日常の暮らしの楽しさを、今と未来の世代に伝えるために創業しました。
長野県は現在ワインぶどうの生産量では日本一を誇りますが、農地の80パーセント以上が標高500メートルを超えるという自然条件から、地球温暖化の影響が強まる中、欧州系品種の栽培適地としてますます評価を高めています。とりわけ東御市を中心として形成される「千曲川ワインバレー東地区」は、プレミアムワインの新しい産地として、いまもっとも注目を集めている地域です。
農業をベースとしたライフスタイル
いまこの地域には、都会暮らしや会社勤めに飽き足らず、生きることの実感を求めてワインづくりを志す人たちが全国から集ってきています。人生の途中から、もうひとつのライフスタイルを求めて、土地の力を借りて自分を表現することのできる、農業という仕事を選ぶ人たち。彼らと彼女らの世代が切り拓く新しい価値観が、人口減少時代の日本に持続的な未来をもたらそうとしています。
ワインと農業に魅せられた人びとによってつくられる小規模ワイナリーの集積は、行き詰った工業化社会を超克するための示唆に富む、世界でも稀有な地域モデルを創り出し、そこで営まれる日常の多様で個性的な活動が、地域の社会や経済を活性化します。幅広い裾野をもつワイン産業が観光や飲食をはじめとするさまざまな分野に好影響をもたらし、地方を創生する時代が訪れました。
美しい田園風景
自然の中で過ごしながら農と触れる時間をもち、食べものを土から直接いただく暮らしを営むことで、私たちは穏やかで安心な毎日を過ごすことができます。「農業をベースとしたライフスタイル」というのは、地に足をつけて暮らしながら仕事をする、昔ながらの新しい生きかたです。
小さくて個性的なワイナリーとよく手入れされたブドウ畑のあいだに、カフェやショップやレストランやプチホテルが点在する美しい田園風景の中で、人びとが思い思いに心豊かな人生を楽しんでいる……ワインづくりのARC(弧)が広がることで、この地域にそんな日常が実現することを私たちは望んでいます。
日本ワイン農業研究所は以下のミッションを遂行します
- 農業としてのワインづくりを地域に根づかせることによって、荒廃した田園を美しくよみがえらせ、農業という「食べものをつくる仕事」をベースにした、持続的なライフスタイルの実現を推進します。
- 新しいワイナリーを稼動して、近隣地域で急増する新規参入農家が生産するブドウを醸造し、日本ワインの消費拡大にともなって不足する原料を県外に流出させないよう、6次産業化に貢献します。
- 新規参入希望者に、栽培と醸造に関する知識や技術、またワイナリー経営に資する情報を提供して彼らの自立を促し、安定した品質のワインを生産することのできる小規模ワイナリーの集積に寄与します。
- 多くの人にワインの製造過程を理解してもらい、とくに地元でのワイン消費とワインぶどう栽培の拡大を図るためにさまざまな販促イベントを展開し、消費と生産が一体化した産地形成を支援します。
- 日本ワインの品質向上のために世界の技術情報をアーカイブ化するとともに、ワイナリー経営のビジネスモデルと地域の未来像を提示して、ワイン産業への積極的な投資環境をととのえるために活動します。
設立までの経緯
日本ワイン農業研究所は、上記のようなミッションを遂行するために、人材養成のための教育機関と技術支援のための基盤ワイナリーを創設することを企画し、農林漁業成長産業化支援機構「A-FIVE-J」と県内金融機関で構成される地域ファンド「SAIF」(信州アグリイノベーションファンド)からの投融資、JA信州うえだファームおよび株式会社ヴィラデストワイナリーとその支援者による出資を得て、2014年3月に株式会社を設立しました。そして農水省の「6次産業化ネットワーク活動交付金(平成26年度)」を活用して、年間3~5万本のワインを生産することができる「アルカンヴィーニュ」ワイナリーを建設し(2015年3月竣工)、その施設の一部を拠点とする栽培醸造経営講座「千曲川ワインアカデミー」を2015年5月に開講しました。