Column[ 読みもの ]
日本のワインのこれからを考える 2019
2016年01月25日
寒波の襲来
10年に1度の冷え込みとかで、今朝の気温はマイナス11度でした。屋外の軒下にかけた寒暖計で午前7時少し前に見た数字ですから、実際の最低気温はマイナス12度くらいあったかもしれません。最近の3日間は連続してマイナス8度。ようやく冬らしくなってきました。
10年くらい前は、1月下旬なら朝の気温はマイナス10度、最高気温は零度以下の真冬日が1週間や10日は続いたものです。その頃と比べると、寒波が来る前の正月は暖かい日が続き、この寒波が去るとまた暖かくなるらしい。雪が消えたらブドウの樹の剪定をはじめますが、この調子だと、剪定が終わる前に芽が出てしまうのではないかと心配になるくらいです。
さて、正月は書類の片付けをして過ごしました。書斎はひさしぶりに模様替え、アトリエからも大量の紙屑を捨てて、気分一新して仕事に備える態勢をつくったところです。で、ようやく、中断していたブログを再開することにしました。
今年の「玉村豊男ブログ」は、もちろんワインバレーの最新情報もお届けしますが、内容的にはワインの「つくり手」に関する話よりも「飲み手」に関する話が多くなると思います。ワインをつくっても、飲んでもらわなければ話になりません。そこで、昨年『ワインのある食卓』で書いていたような話の続きを、今年はこのブログで書いていくことにしました。
それから、現在「千曲川ワインアカデミー」」は会員(受講生)を募集中です。アカデミーは、ブドウを育ててワインをつくりたいという人たちが「ブドウ栽培・ワイン醸造・ワイナリー経営」を学ぶ場ですが、本当は、もっと幅広い人材に参加してもらいたいのです。ワインをつくる人だけでなく、ワインを売ろうという人、生産者と消費者を繋ぐ役割を担う人、ワイン関連でなにかの事業を興したいと考える人、ワインで地域を変えていきたい人……そういう人たちに、アカデミーで身につけた専門知識はかならず役に立ちますから。
昨年アカデミーを立ち上げたときは、市町村の役場から研修に来る職員がいるかと思っていたのですが、去年も今年もひとりもいません。ワイン産地への投資を考えている企業が社員を派遣することも期待していたのに、これもまったくありません。週2日間で年間30週ですから、役所や会社の費用で若手を研修に送り込んでもよさそうなものですが……。
ワイン産業の振興で地域を活性化しようとか、ワイン産業に投資をして地域経済を変えていこうとか、そういう意識が一般化するまでには、まだまだ時間がかかるということでしょうか。ワインが好きな人たち、あるいはワインにかかわる関係者だけで話をしていると、日本ワインが空前の人気のように思えますが、日頃ワインを飲まない人にとってはまったく縁のない話。あたりまえといえばあたりまえの話ですが、ここから先、ワイン産業を伸ばしていくためには、とにかくひとりでも多くの人に、ワインを飲んでもらわなければなりません。
ということで、今年はワインを飲む話をメインにブログを書きたいと思うのですが、こんなことを書いているだけで、自分が飲みたくなってくるのですから困ったものです。そろそろ、午後5時。ドリンクタイムのはじまりです。ワインは食事といっしょに飲むものです、と私も言っていますが、食前から食事ははじまっている……ということで、もう飲みはじめてもいいですか?