Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2017年11月12日

関酒店クラウドファンディング

みなさまに応援を要請していた「村の酒屋を復活させる――関酒店復活プロジェクト」のクラウドファンディングは、11月8日の23時59分をもって終了し、おかげさまで目標額の700万円を達成することができました。みなさま本当にありがとうございます。80日間の募集期間のうち終盤までなかなか数字が伸びず苦戦していましたが、最後のほうで大口の支援者があらわれたおかげで、最終日の午後にようやく700万円に達しました。

これで、冬のあいだに改修工事をおこない、来春には開店できる目処が立ちそうです。関酒店(当時は「関商店」と呼ばれていました)は、もう10年以上前に閉店して、母屋の一角にあった酒店の店舗はふつうの畳の部屋に改造され、寝室として使われていました。が、昨年、おひとりで住んでいた奥様も亡くなられ、空き家になったので、家を相続した娘さん(近くの町に住んでいる)にお願いして借り受けることができたのです。

ですから、まず、母屋の中の旧店舗部分(6畳2間)の畳を剥がして土間を出し、元の店舗に作り直さなければなりません。什器や備品も、揃える必要があります。それから、母屋に隣接して二階建ての倉庫が建っているのですが、老朽化しているので、中に入っているガラクタを整理してから、取り壊す必要があります。取り壊した跡地はテラスにして、そこでワインを飲んだり、農産物の直売ができるようにしたいと思っています。

敷地の中には小さな土蔵があるので、ここも中を片付けてから、ワインバーとして使いたいのですが、使えるように整備するには少しおカネがかかりそうです。クラウドファンディングで集まった700万円から、運営会社に支払う手数料や返礼品(リターン)にかかる予算などを引くと、実際に使える金額は65パーセントくらいだと思います。大事に使いながらも、引き続きサポーターを募集するなど、応援団の力を借りなければいけないかなと思っています。

関酒店の復活計画は、田沢地区の住民有志がつくっている「おらほ村」という地域活性化グループが中心になって進めている、「田沢ワイン村」プロジェクトの一環です。関酒店の次は、すぐ近くにあるもう一軒の空き家「清水さんの家」を民泊施設に改造し、できたらそこで食堂を営業したい、と考えています。泊まれる部屋ができれば、遠くから来る人たちも参加できるので、いろいろなイベントをやって盛り上げることができるでしょう。

古い村を、ワインの力を借りて、少しずつ外に向かって開いていく。それが、「田沢ワイン村」プロジェクトの目標です。これからも応援をよろしくお願いします。