Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2018年03月12日

農泊と民泊

関酒店の復活に続いて、すぐ近くにある大きな空き家「清水さんの家」を民泊にしようと思っているのですが、空き家を改修して農業体験のできる宿泊施設をつくる事業には国から補助金が出るかもしれないと聞き、昨年からずっと東御市役所に相談してきました。

が、農水省の平成30年度の補助金(農山漁村振興交付金・農泊対策施設整備事業)の公募要項が出たので読んでみると、ハードルが高くて到底無理なことがわかりました。農水省が補助金を出す目的は「古民家などを改修して地域で農泊ビジネスを営み、農村が収入を増やすこと」なので、経験のあるプロジェクトマネージャーがいる法人が中核となって諸団体と協議会をつくり……といった手続きが必要なのです。

私もメンバーとして加わっている「田沢おらほ村」は、地域の住民有志が個人で集まったグループなので、村の知り合いから借りた空き家をみんなで直して、儲からなくてもそんな場ができれば楽しいよね、みたいなノリでやっているため、「ビジネスとして儲ける」ような農泊や民泊はできません。東御市から農水省に問い合わせてもらったら、「そんなレベルじゃ無理ですね」とかいう返事が返ってきました。

農泊は年間365日営業できるが旅館業法の適用を受け、資格のある管理人に業務を委託する。それに対して民泊は、もっと規制が緩やかだけれども年間180日が上限の営業日数。春から秋までなら180日も営業できれば十分なので、それなら民泊でゆるゆるやろう……ということになりました。ひょっとしたら補助金をもらえるかもしれないと思って、これまでは「民泊」に「ワイン農泊」というサブタイトルをつけていましたが、補助金がもらえないのなら農泊に義理立てする必要もないので、サブタイトルは取ることにしました。だから、「民泊・清水さんの家」プロジェクト。

が、それでも、有料で宿泊客を泊める以上、台所は飲食営業免許が取れるレベルに準じる設備を設けること、防火設備は無線の火災報知機に誘導灯に消火器を備え、カーテンは防炎仕様にすること、など、さまざまな要件が求められます。その上に、空き家になっていた間に水道の配管は凍結によって破壊され全滅、畳もほとんど使えないので60枚以上新調しなければ……と、やっぱりおカネがかかります。工事の見積もりと備品の整備で、必要になるのは約400万円。ということで、またしても篤志家の好意を期待することになってしまいました。

田沢おらほ村のホームページ:www.tazawamura.co.jp  の「お知らせ」欄に、下記のような告知を掲載しました。どうかよろしくお願いします。

民泊「清水さんの家」の改修整備に必要な約400万円の資金を調達するために、1口50万円の「発起人」と、1口10万円の「応援団」というかたちで、有志のみなさまからの篤志を募っています。ご支援いただける方は、お手数ですが以下の連絡先窓口宛てにメールにて、ご連絡ください。 担当者から手続きの詳細をお知らせします。 ひとりでも多くの方々に、ご興味を抱いていただけたら幸いです。

【連絡先窓口】 民泊「清水さんの家」発起人・応援団 募集メールアドレス minpaku@tazawamura.co.jp