Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年04月02日

ワインは土地を表現する

私は、つねづね、ワインはその土地の価値を表現するものだ、と言ってきました。ワインづくりは、まずブドウ栽培からはじまるもので、収穫されたブドウの果実は、ブドウが栽培されたその土地の光や風や雨や土の個性を一身に抱えている。そのすべてを、ワインというかたちで表現するのが、栽培醸造家(ワイングロワー)の仕事であると。

そういう考えからすれば、海外の原料を使用して日本で醸造したワインは、いくら濃縮果汁を薄める水が日本の水だからと言って、「日本のワイン」とは言いたくない気がするのです。それなら、海外から直接輸入したワイン(それぞれの土地の価値を表現したもの)を飲めばよいでしょう。