Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2017年01月20日

上田駅ワインポータル

私は上田駅前を歩くとき、いつもきょろきょろしながら、どこにワインポータルがつくれるか探しています。駅前の広場には、ビール酒場や居酒屋などいくつかの飲食店がありますが、いつもシャッターが閉まっている商店もあります。誰かそういうところを借りて、ワインの飲めるワインショップをつくってくれないかなぁ……と思いながら歩いているのです。

駅ナカ、という手もあり、その場合は2階の「しなの鉄道」の待合室あたりが候補地になりそうですが、やはり駅前広場の一角にあったほうが目立ちますし、バス停のすぐ近くなら循環バスとの連携もスムーズでしょう。そう思って見ると、なんといっても気になるのが、駅を出てすぐ右側の交番のわきから広がる、「イトーヨーカドー(セブン&アイ)」の広い跡地です。

この跡地には、新潟薬科大学の上田キャンパス(長野薬学部)ができるそうです。県と地元の薬剤師会の調整に時間がかかって予定より着手が遅れている、と先日の新聞報道にありましたが、いずれはそこに大学のビルが建つことは確実のようです。長いあいだ、駐車場になっている空地になにが建つのか気になっていたのですが、駅前に大学のキャンパスができるのはいいですね。若い人たちが増えて、上田の街も活気づくと思います。

ビルが何階建てになるのか、どんなデザインなのか、わかりませんが、私は、できれば屋上に、「薬草園」をつくってほしいと思っています。小さくてもいいので、世界中から集めた珍しい薬草を栽培して、一般の人にも見てもらえるようにすれば、上田の新しい名所になるでしょう。薬草の栽培は薬学部の研究にふさわしいものですし、それらの薬草を使った医薬品や化粧品、お茶などを販売すれば人気が出ると思います。

そして大学ビルの駅前広場に面した1階には、それらの商品の販売所を兼ねた、薬草茶やハーブティーなどが飲めるカフェをつくってほしい。ダイエットや美容によいドリンクを取り揃えるといいですね。で……ここからが私の本題なのですが、そこではお茶やコーヒーだけでなくワインも飲めるようにして、ワインポータルの機能(ワインの試飲と販売、ワイナリー案内情報の提供など)を持たせるようにしてもらいたい。ワインを蒸留したアルコールに薬草を滲出させたさまざまなリキュール(いわゆるフレンチヴェルモット)の多くはもともと中世の修道院で薬用としてつくられたものですし、ワインそのものも自然が生んだ健康によい日常の飲みものです。それに大学キャンパスの入口にワインの飲める明るいガラス張りのカフェがあれば、女子学生たちもよろこぶでしょう(20歳になるまでは飲めないけれど)。そして女子学生がワインを飲んでいれば若い男性も集まってきますから、ビール酒場や居酒屋とはまた違った、大学という場にふさわしい知的でオープンなサロンとして、新しいワイン文化の拠点になるのではないでしょうか。

……ちょっと、我田引水が過ぎましたかね。