Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年04月19日

飲みやすいワイン

日本では、ワインを褒めるときの言葉として、「飲みやすい」という表現があります。私もときどき使ってしまうことがあるのですが、使った後で、本当にこれは褒め言葉なのだろうか、と自問します。

昔は、「甘味ブドウ酒なら初心者にも受け入れやすい」とか、「女性には甘口のワインを奨めるのがよい」とか、よく言ったものです。甘味ブドウ酒から「本格ワイン」へと移行する時期には、水筒型の瓶に入ったポルトガルのロゼや、甘さを残したドイツのワインが、とくに女性には好まれると思われていました。

EASY TO DRINK? クセがない、スッキリしている……といったニュアンスでつい「飲みやすい」という言葉を使ってしまうのは、そんな古い感覚を無意識のうちに受け継いでいるからだろうか……と思うと、我ながら愕然とすることがあります。