Column[ 読みもの ]
日本のワインのこれからを考える 2019
2019年06月11日
アメリカブドウ
西アジアからヨーロッパにかけては、約1万年前の氷河期を生き延びた野生ブドウは1種類しかなく、それが7000年ほど前からアララット山麓で栽培されるようになり、唯一の栽培種「ヴィティス・ヴィニフェラ」として、シナイ半島やエジプトを含む地中海沿岸からヨーロッパ全域へと伝播していきました。
一方、北米大陸では20種を超える数の野生ブドウが氷河期を生き残り、ヨーロッパ人が「新大陸を発見」した頃には、すでに先住民族がさまざまなヤマブドウでワインをつくっていたという説もあります。
アメリカ大陸に上陸したフランス人やスペイン人は、当然、ブドウがあればワインをつくろうとします。が、アメリカのヤマブドウでつくったワインは、ヴィニフェラ種でつくるヨーロッパのワインとは明らかに違う、ある種の独特な芳香があって彼らの口に合いませんでした。
« 方舟の残骸ヴィティス・ラブルスカ »