Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年06月22日

台木と穂木

ヴィニフェラ種のブドウはかならずアメリカブドウ(ラブルスカ種)の台木に接ぎ木をする、という方法はこのときに考え出され、危機にあったヨーロッパのワイン生産を救いました。

接ぎ木というのは、台木(根になる部分)の小片に、穂木(枝葉や花実がつく地上の部分)の小片を挿し込んで活着させる方法です。接ぎ木は多くの果樹で広おこなわれていますが、フィロキセラに侵されない(ラブルスカ種の)台木に、おいしいワインができる(ヴィニフェラ種の)穂木を接ぐ、というブドウの接ぎ木は、両者の特徴を最大限に生かした傑作といっていいでしょう。

ヨーロッパにおけるブドウ畑の大被害をきっかけに台木の研究が進み、アメリカブドウの中からとくにフィロキセラ耐性が高いものを選び出して交配を重ねることで、現在ではより安全性の高い台木専用品種が開発されています。