Column[ 読みもの ]
日本のワインのこれからを考える 2019
2019年07月21日
フランス人の好み
コンコード、ナイアガラ、デラウェア……これらのラブルスカ系品種は、いうまでもなく「キツネ臭」がするのが特徴です。日本人の多くはこの香りが嫌いではなく、それどころか、ナイアガラのジュースなどは華やかな香りが素晴らしいといって好きな人がたくさんいます。
が、フランス人は、コンコードやナイアガラの、ワインはもちろん、ジュースの
匂いを嗅いだだけでも、「ペッ」と横を向いて顔をしかめます。ラブルスカ系の
ブドウの匂いは、感覚的に受け付けないのです。フォクシー・フレイバーの語源
はフォックス・グレープというブドウの呼び名から来ているのだろうと私は推
測しましたが、フランス人たちのあの極端な毛嫌いのようすを見ていると、単に
嫌がらせのために「獣(の中でも嫌われ者のキツネ)の匂いがする」と言ったの
ではないか……という疑念さえ生じるほどです。