Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年08月20日

多様な交配種

最初期はうまく行かなかったけれども、その後の努力により日本にも定着したヨーロッパ系のヴィニフェラ種。雨や寒さに強いことから導入された、アメリカ系のラブルスカ種。もともと日本に自生していたヤマブドウ。それらに加えて、川上善兵衛以降、多くの栽培家や研究者によって生み出された多種多様なハイブリッド品種(交配種)が、日本ワインの原料として使われています。

雨に弱いヴィニフェラ種に、その欠点を補うラブルスカ種やヤマブドウなどをかけ合わせた交配種。さらにはヴィニフェラ種どうしをかけ合わせたり、ヤマブドウにラブルスカ種をかけ合わせたり、その子供をまた別の種とかけ合わせたりした、さまざまな組み合わせの交配種。いずれも日本の風土に合ったワイン用のブドウをつくろうとする試みですが、そのために、日本でワインをつくるために用いられるブドウ品種は、世界でも珍しいくらい数が多くなりました。