Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年09月20日

ワインの評価は誰が決めるのか

日本ワインのこれからを考える場合、まず、品種の多様性に対する消費者の評価が、将来
どのような方向に向かうのか、が問題になります。これまでのようなヴィニフェラ信仰が
将来も続くのか、それとも、ラブルスカ種やそのハイブリッドが認められるようになるの
か。とくに、ヤマブドウとそのハイブリッドへの許容性はどの程度か。それが許されると
すれば、それは技術の進歩によって「キツネ臭」や「野生の香り」を排除することに成功
したからなのか、それとも、従来は認められなかったそれらの香りが、かつてのヴィニフ
ェラ信仰者のうちでも多様性に対して寛容な人びとには認められるようになったからか。

上記の問題を考える場合、それらの判断は誰がするのか、という問題が浮上します。これ
は、とても大きな問題ですね。ワインの評価は、誰がするのか。伝統的なワイン生産国に
とってデフォルトとなっていた(いまもデフォルトとなっている)評価基準が、新興ワイ
ン国の多様化したユーザー(ワイン愛好家)にとっても相変わらず有効なのか?

品種の問題はこのあたりでいちおう打ち止めとして、これからは、「ワインの評価は誰が決
めるのか」について考えていきたいと思います。