Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年09月25日

原産地呼称管理制度

長野県では、2002年に原産地呼称管理制度(NAC)を立ち上げ、現在に至るまで運営しています。これは田中康夫さんが知事に就任したとき、県産の農産物をPRするために協力してほしいと田崎真也さんと私に要請があり、3人が集まって協議した結果、「これが長野県の農産物です」といって自信をもって消費者に提供するには、まず必要なのは原産地呼称管理制度だろう、と意見が一致したことからはじまりました。

その農産物が、本当に長野県内の地域で生産されているかどうか。「信州そば」といって売られている乾麺の大半は県産のそば粉を使用していないとか、「野沢菜」といって売られている漬物に使われている青菜の多くは西日本産だとかいうように、名称と実際の産地が合致しない例はたくさんあります。

また、それらが実際に県内でつくられていたとしても、生産方法が消費者の納得を得られる一定の基準を満たしているかどうか、また、実際にそれにふさわしい品質を備えているかどうか。そうした条件を満たしているか否かを公的な機関が審査して、合格したものだけを認定する制度が、原産地呼称管理制度といわれるものです。