Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年10月11日

地理的表示(GI)の導入

長野県の原産地呼称管理制度は、2003年以来現在も続いています。制度を設計した田崎真也氏はすでに勇退され、その後は同じく日本を代表するソムリエである阿部誠氏が官能審査委員長を引き継いでいますが、発足から16年も経ち、当初からお願いし続けている審査委員の中には高齢の方も多くなりました。そろそろ審査委員の更新を考えると同時に、制度そのものを見直す必要もあるのではないかと、この数年、県の日本酒ワイン振興室を中心に検討を重ねてきました。

国税庁は、ワインの原料ブドウの産地表示に関して、表示法ルールの改正(海外原料を使用した場合の明示義務、日本ワインの定義など)に続いて、地理的表示(GI=Geometric Indication)制度の導入を奨めています。これは農水省が進める農産品のGI(夕張メロン、市田柿、三輪そうめん等)に呼応するもので、ワインではすでに山梨県と北海道が全県(全道)単位でGIを取得しており、長野県も現在2年後の取得をめざして準備中です。

地理的表示制度と原産地呼称管理制度の違いやそれぞれの詳細についてはここでは立ち入
りません(自分で調べてください)が、ちょうどよいタイミングなので、GIの取得に合わ
せて、審査委員の選定を含めた官能審査のシステムを全面的に刷新するのがよいだろうと
(少なくとも私は)考えているところです。