Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年11月01日

ヴィーニョ・ヴェルデ協会

ヴィーニョ・ヴェルデ協会は、トップが有力な政治家だそうで、毎年相当の予算をかけてこのコンテストを開いています。協会は、ポルトの中心部にあるクラシックな建物を自社ビルとして利用しており、そのワンフロアに、官能審査専用のテイスティング・スペースが設けられていました。

その部屋には、ちょうど審査委員がひとりだけ座れるブースが、30席近くあったかと思います。1人分のブース(審査委員席)には小さなデスクと椅子があり、デスクにはパソコンが置かれています。パソコンの横にはステンレス製の吐器があり、テイスティングを終えたワインをそこへ吐き出せば、そのまま下水まで繋がっているようでした。

小さな机の三方はコの字形の白いパネルで囲われており、左右の隣席に座っている審査委員の姿は見えません。正面のパネルは、上端がやや低く、その上端が平坦になっていて、そこにワイングラスが置けるようになっていました。ブースが連なる列と列の間には通路があって、その通路を、審査用のワイングラスを持った係員が歩けるようになっています。

それほど広くない部屋ですが、実に効率的につくられていて、日本にもこんな常設の官能審査会場があれば……と、私は自分の席につくと、あたりを見回しながら考えていました。