Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年11月09日

審査進行のシステム

官能審査の対象となるワインは、いくつあったか覚えていませんが、50種前後はあったでしょうか。審査委員席に座っていると、係員がワインを注いだグラスを運んできて、正面パネル上端のワイン置台に置いていきます。一度に、5つか6つ、並べたと思います。グラスにはペンで番号(記号)が記されていて、同じ番号(記号)がデスクの上のパソコン画面上にも表示されているので、ひとつひとつテイスティングを済ませたら、パソコン画面にそれぞれのワインの評価を書き込んでいきます。

審査委員は、まず置台の上のワインを取って、自分のデスクの上に置きます。そして、テイスティングをしてパソコン画面に点数を打ち込み、最終的に確認してその点数でよいと決めたら、そのワインのグラスを置台の上に戻します。係員は、最初に置いたワインが全部デスクに下ろされたことを確認した後、しばらく待ち、再びグラスが置き台の上に戻ってきたら、審査は済んだと判断してそのグラスを片付けるのです。グラスの中にワインが残っているかどうかは関係ありません。いったん下ろしたグラスを元に戻した時点で、そのワインの審査は終わりです。

こうして、一度に配られるワインを、順々にテイスティングして、その回が終わったら次の回、というふうに、何回かに分けて対象となる全部のワインを審査するのです。ヴィーニョ・ヴェルデ協会はこの施設をフルに活用しているようで、係員の方たちも手慣れたものでした。