Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年11月15日

100点満点シート

視覚、香り、味わい、ハーモニー、という4つの分野のうち、最初の3つはそれぞれの下位に複数の評価項目が設けられています。視覚は「清澄度」と「外観」の2つに、香りは「健全性」と「強度」と「香りの質」の3つに、味わいは「健全性」「強度」「持続性」「味の質」の4つの項目について、それぞれ1から5までの5段階で評価をするようになっているのです。最後の「ハーモニー」だけは、総合評価なので下位基準はありません。

すなわち、4つの分野の下に全部で10項目の評価対象があるわけですが、よく考えられているのは、同じ1から5でも、項目によって与えられている点数が異なっていることでした。たとえば「視覚」では、「清澄度」は5が5点(1は1点)なのに「外観」は5が10点で1は2点。これがより重要な「味わい」の評価になると「健全性」の5は6点で1は2点、同じく「持続性」は5が8点で1は4点。「味の質」になるともっと配分が大きくなって、5が22点、4が19点、3が16点、2が13点、1でも10点が与えられるのです。

こうして、審査委員がそれぞれの項目を5段階で判定すると、合計の点数がちょうど100点になるように、つくられているのです。私はそれまでOIVのテイスティングシートの存在を知らなかったので、驚きながら、大いに感心したものでした。