Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2019年12月06日

ワインの値段

ところで、ワインの値段は、誰が決めるのでしょうか。ワインは商品ですから、商品の値段は生産者(販売者)が決めますが、新しく発売するワインにどの程度の定価をつけるかは、きわめて難しい問題です。ふつうの商品なら、原価が100円なら上代(希望小売価格)は200円、卸値は150円……とか、ある程度機械的に決める基準がありますが、ワインの価格の大半は付加価値なので、原価とは直接の因果関係はありません。

1本のワインを、1000円で売るか、3000円で売るか、5000円で売るか。日本ワインの場合は1000円ではほぼ原価割れになってしまいますが、3000円で売れれば小規模ワイナリーの経営は成り立ちます。が、3000円で果たしてこのワインが売れるだろうか……と心配になった生産者(=販売者)は、2500円を定価とするかもしれません。利益を減らしても、確実に売れそうな値段を選ぶのです。

一方、自分のワインに自信がある生産者は、最初から定価を5000円にするかもしれません。そもそも知らない日本ワインに5000円出すのは勇気がいるものですが、5000円でもそれを買った人の多くが、これは美味しい、このワインは5000円に値する、と評価したら、その定価は定着するでしょう。が、もし、5000円では高過ぎる、と感じる人が多かったら……そのワインは売れないまま、値下げを余儀なくされることになるでしょう。

結局、ワインの値段は、生産者(販売者)が決めているように見えながら、実際には消費者による評価が価格を決めている、という側面もあるのです。