Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2020年02月04日

自然派ワインと専門家

私が、一般のワインユーザーからの評価を集積するシステムができないかと真剣に考えはじめたのは、自然派ワインの評価について、専門家に意見を聞いてからでした。

世界各国でおこなわれる国際ワインコンクールの審査員を、あちこちで常連のようにつとめる専門家がいます。ワインスクールの先生だったり、世界有数のトップソムリエだったり、マスター・オブ・ワインの称号をもつ人だったり、錚々たるワイン界の権威ですが、こういう専門家は、実は自然派ワインを評価できません。

そういう国際ワインコンクールには、いわゆる自然派ワインといわれるものは、出品されません。いや、少なくともこれまでは、出品されませんでした。が、最近は、ときどき、
その種のワインが出てくることが増えたそうです。そういうときは、どうするのですか、と私が質問したら、ある専門家は、「その種のワインは、そうだと分かった時点で審査対象から外すことになるでしょう」と答えました。