Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2020年02月18日

許容範囲

自然派ワインのファンはたくさんいます。時代の趨勢を考えると、今後もますます増えていくことでしょう。が、その自然派ワインを、大半の専門家は、評価の対象にできないでいるのです。

私は、日本の専門家の何人かに、「あなたは自然派ワインをどこまで許容するか」と質問しました。ある人は「少しでも病気があったらダメ」と言い、ある人は「多少の雑菌は許すが限度がある」と言い、「どこまで」という許容範囲については、人によって大きく異なるのではないか、というのが多くの意見でした。同じ質問をマスター・オブ・ワインのジャスパー・モリス氏にも投げかけたいところですが、やはり、評価基準が確立した慣行ワインと違って、どこまでがよくて、どこからが悪いのか、自然派ワインの多様性には線を引きにくい、というのが実情のようです。

……だとしたら、自然派ワインの評価は、好んで自然派ワインを飲んでいる愛好家(ワインユーザー)に聞くしかないでしょう。