Column[ 読みもの ]

日本のワインのこれからを考える 2019

2020年02月21日

ワイン会

私は、日本人がもっとたくさんワインを飲み、いろいろな国のワインを飲んでいるうちに日本でもよいワインが造られていることを知り、日本ワインには日本ワインならではの魅力があることに気づいて、日本ワインを愛飲してくれるようになることを願っています。

そして、ワインの良し悪しは専門家が決めるものではなく、ワインを飲む人そのものが決めるものだ、と考え、多くの人が、自分はこういうワインが好きだ、と自信をもって言えるようになることを期待しています。

みんなで集まってワイン会をやるとき、それぞれが100点満点の採点シートで点数をつけてみてはどうでしょう。点数をつけたら見せ合って、なぜその点数をつけたか、感想を言い合うと面白いと思います。人と違っていてもよいのです。むしろ違っているほうが、その人ならではの個性があらわれて面白い。

TASTERS CLUB のようなかたちで点数を集計すると、結果は人気投票のようになるかもしれません。でも、ワインユーザーによる投稿は、結果を権威的に押し付けるものではないので、それはそれでよいのだと私は思います。本の世界では、既成の有名作家が選ぶ文学賞と並んで、あるいはそれ以上に読者の共感を呼ぶ、書店員が選ぶ本屋大賞などがありますが、これからはおそらくどの分野でも、無数の飲み手や読み手が作品の評価を決めていく、そういう時代になるのだと思います。